右翼と左翼(編集中)
「右翼」と「左翼」の意味するところを端的に説明するのは難しい。
私も「右翼」という言葉をよく使うが、論理が雑になるので厳密に語りたい時は避けている。
定義1: 元々の意味
右翼:保守
左翼:革新
大雑把にいえば「これまでに築き上げて来た体制を大事にしましょう。必要に応じて少しずつ変えましょう」が右翼、「今までの体制ではダメだから思い切って変えましょう」が左翼。であってる?(という逃げワードがこのブログでは度々登場するはずである。)
この定義に沿えば、共産主義国家における共産主義者は右翼であり、資本主義者は左翼ということになる。
要するに、この定義では「右翼」「左翼」は社会の現体制を軸とした相対的な概念でしかない。
そしてこの意味で「右翼」「左翼」という言葉を使っている例はあまり見られないし、私も使わない。
定義3:2が混乱したもの
右翼:民主主義
左翼:共産主義
以前、ネットの掲示板に「〇〇(アスリートの名前)は共産主義者だ」としきりに書く人がいた。どうやら「ファシスト」のような意味合いで「共産主義」という言葉を使っていたようだ。
言うまでもなく共産主義とは財産を共有する体制を表す言葉であり、専制を表しているわけではない。定義2にあるように資本主義の対義語が共産主義(または社会主義)であり、民主主義の対義語は「専制」「君主制」などである。
定義4:1からの派生B
右翼:権威主義(パターナル)
左翼:自由主義(リベラル)
権威主義と自由主義という対立軸そのものは現在の政治を語る上で欠かせず、その意味では間違っていない。しかしこれをそれぞれ「右」と「左」とするのは問題があるだろう。このような捉えられ方がよく見られるのは、一般に「左翼」「左寄り」と呼ばれる政党ほど人権を重視する傾向が強いからだろう。保守を自認する政治家は「あなたは権威主義ですね」と言われれば反発するだろうけれど。
私としてはここは「全体主義vs.個人主義」という対立軸にした方がピンと来るのだが。
自民党内の宏池会は「保守中道」でありリベラルとの評価もあるが、岸田文雄が会長となってからはそも面影も殆ど見られず、分派の志公会(麻生派)に至ってはアータ。
定義5:4が更に混乱したもの
右翼:保守
左翼:自由主義(リベラル)
この「保守」の意味するところがもはやなんだかわからないが、このような捉え方でもって右翼と左翼の対立が語られることが非常に多い。対立概念でないものを対立概念として語れば論旨がぼやけるのは当然である。
ちなみに立憲民主党は「リベラル保守」を自認しており、また結党当時に掲げた政策は「30年前の宏池会」と枝野幸男氏は述べている。
定義7:私の頭の中にあるぼやっとしたもの
右翼:差別と暴力と歴史修正と弱者切り捨てと権力への志向に凝り固まった人達(悪玉)
左翼:自由と平和と平等を志向するまともな人達(善玉)
これ、子供の頃からこういうイメージなんだよね。別に家庭が強い左翼志向だったわけでもないけれど、ずっとそう思ってる。変?
では私自身は左翼なのかと問われると、それを問う人の考える「左翼」の中身がわからないから答えようがない。それこそ「自民党こそ自由と平和と平等を最も大切にしている党じゃないか!」と思っちゃってる人だっているだろうし。
あえて答えるなら「自分が左翼かどうかはわからないけれど、主に左派の主張する福祉の充実やリベラリズムは支持している」といったところ。